神社やお寺の屋根にもよく見かけるブルーグリーンの屋根。
この色は「緑青(ろくしょう)」と呼ばれる、銅の錆(サビ)の色です。
錆(サビ)と聞くと「金属が劣化し穴が空いてしまうのでは?」と心配に思いますが、
「緑青(ろくしょう)」は銅の表面の被膜となり、内部の腐食を防いでくれているのだそう。
この特性を生かし、屋根の他に雨どいなどにもよく使われているようです。
銅は鉄などに比べて柔らかく、複雑な形にも加工がしやすいという特性があります。
そのため装飾品や貨幣など、細かな加工が必要なものに銅が用いられます。
身近なところでは、10円玉。
正式には「10円青銅貨幣」と言いますが、製造直後はピカピカの10円玉も、使用しているうちに、だんだん色が変化していきますね。
神社やお寺に見られる銅板の屋根も同様で、時間とともに徐々に色が変化し、長い年月をかけて美しい「緑青(ろくしょう)色」になります。
「緑青(ろくしょう)」は気候などの条件により現れ方も違うため、方角によって発生の仕方が異なり、屋根の色が違って見えることもありますが、時代を経てゆっくりと変化する様子を感じられるのは、趣があって良いものです。
ところでこの「緑青(ろくしょう)」、人工的に短期間で発生させることもできます。
それには、とても身近なある“食品”を使うのですが、みなさん、何だかお分かりですか?
当社(色彩生活コーポレーション株式会社)のデザインクライアントである、重森板金工業株式会社さまによると、
なんと!
「醤油」を薄めたものを銅板に吹き付けると、化学反応が起き、1週間程度で「緑青(ろくしょう)」が発生するのだそうです。
広島に住む多くの人が知っている神社仏閣を施工されている老舗の企業ですが、実際の施工でも、この方法を使っているとのこと。
なんとも身近なものが使われていることにビックリですね。
「緑青(ろくしょう)」は神社やお寺だけでなく、様々な建築物にも見られます。
みなさんがよく知る建築物や仏像などにも見ることができますので、ぜひ探してみてください。
(SATOMI)
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