前回の School_column 「梅に鶯(ウグイス)?!」で描かれているのは、 多くの場合「紅梅」といわれる、ピンクの梅の花ですね。
古くはお花見といえば「梅」の花を愛でることだったそうです。
現在の元号「令和」は、日本最古の歌集「万葉集」の「梅花の歌」三十二種の序文 が典拠であることは、みなさんご存知のとおり。
「梅花の歌」は、奈良時代はじめ、 当時の太宰府の長官、大伴旅人の邸宅で開かれた梅花の宴で、32人が梅の花を題材に詠んだ歌をまとめたものです。
その序文は大伴旅人自身が書いたそうですが、ここに出てくる「梅」はどうやら「白梅」のよう。
「梅は鏡前(きょうぜん)の粉を披(ひら)き…」
とは、現代語にすると、
「梅は、鏡の前で装う美しい女性の白粉(おしろい)のように白く咲き…」
といったところでしょうか。
当時の人々の雅な暮らしが瞳に浮かぶようで、とても情緒的。
ところで、 「桜」を観ることをお花見というようになったのは、いつ頃からなのでしょう?
奈良時代の「万葉集」では、桜の花よりも梅の花を詠んだ歌の方が多いのですが、平安時代の「古今和歌集」では、この関係が逆転しているそう。
つまりこの頃から、「花」といえば「桜」を指すようになったと考えられますが(諸説あり)、 「桜」といっても当時は「山桜」のことだったようです。
平安時代から親しまれている色名 「桜色(JIS慣用色名 マンセル値 10RP 9/2.5)」は、この「山桜」系の色のことで「ごくうすい紫みの赤」。
現代に生きる私たちに馴染み深い「ソメイヨシノ」の花の色は、 これよりももっと淡く、かなり白に近い印象です。
「桜」は日本に暮らす私たちにとって、ちょっと特別感のある花ですよね。
昨年末、当社(色彩生活コーポレーション株式会社)が フランスで行なった、日本伝統工芸品のデザイン・色彩についての テストマーケティングでは、数ある製品カラーバリエーションの中でも、「桜色」に対する、フランスの方たちの感度は高いことが分かりました。
フランスをはじめ、世界各国で日本製品は人気が高く、 そのクラフトマンシップを表現するデザイン・色彩は、 注目を集めています。 このテストマーケティングについてのお話は、
また別の機会にじっくりと…(お楽しみに!)。
色彩生活カラースクールのある広島市では、 縮景園(当スクール隣)にある「標本木」の花が5〜6輪咲くと「開花」が宣言されます。
「標本木」の樹種は、原則的には「そめいよしの」だそうですが、沖縄では「ひかんざくら」、北海道では「えぞやまざくら」と、 地域によって違いもあるようです。
今年は、例年よりかなり早く開花が宣言された地域もありますが、 ここ広島でも、そろそろでしょうか…?
広島市は川の多い街ですが、護岸にはたくさんの桜が植えられており、 満開になると、それはそれは美しい!!
今からとても、楽しみです♪
(SATOMI)
0コメント